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去る犬。
熱と激しい喉の痛みに苦しみ、
朝方、午前半休の連絡を会社に入れた。

その犬は、Vallo といって、もう7歳になる。
いつも私を見守ってきた。
いかなるときも。

体重が38kgになったときも、
変な男に引っかかって振り回されたときも、
富士山に登って帰ってきたときも、
いつも、犬はそこにいた。

犬が私を見ることはなく、
いつも少し上を向いて誰かを見ていた。
泣きそうな目で見ていた。
いつも、悲しそうだった。

そして犬の顔は、己自身と気がつくのに
7年もかかってしまった。

「しあわせになってはいけない」
なんて、誰にもいわれていない。
分かっている。
自分で追い込んでいるのだろう。
そうやって、こころに壁を作っているのだ。
人のことなんて、いえやしない。

犬はそれを知っていた。
犬はいつも何かを見ていて、いつも泣きそうな顔だった。
犬はいつも、私を見上げていた。
だけどばかな私はそれに気がつけず、
犬は誰を見ているのだろうとさえ、思っていた。

だから私は、
「もう、泣かなくていいんだよ」
そういって、強烈なめまいと発汗の中、
7年間、慣れ親しんだその犬の絵を、
壁からそっと下げた。

「ゆっくり、休んでね。7年間、どうもありがとう」

次に目が覚めると、犬はいなくなっていた。
犬がいなくなったことに、男はまったく気がつかなかったけれど、
その男の鈍感さにいささか救われた気がした。
そうして、犬は私のもとから、去った。
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[2007/09/19 12:01 ] | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0)
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