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ねこと私。
異動になる前までは経理部の女の人と一緒にお昼を食べていたから。
久しぶりにひとりで食べるのは、何となく、ちょっとだけ寂しい気分になる
それに加えて、朝陽も夕陽も見られないオフィスにずっと篭るのは、
私にとってはとても「しんどい」ことだった。

だから、久しぶりにレストラン丸の内DINDONのハンバーグオムライス弁当を買い、
日比谷公園で食べることにした。

日比谷公園まで歩いて5分。
コンクリートジャングルから少しトリップするには、
十分な条件が満たされる場所なのだ。

高台のベンチに腰を下ろす。
子猫と間違うほどに小さな身体の猫がいる。
背中は骨が浮き上がり、一目で痩せすぎなことが分かる。
ねこは、大股を開いて毛づくろいをしていた。
ノミかシラミに悩まされているのか、ひどくかゆみを訴えていた。

弁当を開くとねこは私の足元にぴったりと寄り添った。
私が何かを口に運ぼうとするときだけ、じっと見る。

「私のそばにいても、いいことなんてないんだよ」
と私がねこにいうと、
「いいんです。必ず、いいことがありますから」
と、無表情にいった。
「エサをあげるわけにはいかないの」
と答えると、
「どうして?」
と切り返すねこ。
「だって、これから先、ずっとあなたにエサをあげ続けられないもの」
「そうですか。でも、今日を生きられなくては、明日を生きることはできないのです」
明日死んでもおかしくないほど痩せているねこを前に、
私は、何もいい返せなかった。
ねこは背筋をピンと伸ばして姿勢よく座りなおし、
高台から見下ろせる池に真っ直ぐ目をやった。

いけない、と思いながらも弁当に入っていたヌードルを細かく切り、
ねこの前に差し出した。
ねこは誇らしげに、
「ほらね。あなたのそばにいて、いいことがあったでしょう?」
そういって、私は、
「でも、明日は……」
と答えると、
「明日は明日の風が吹く。
今日はおなかいっぱい食べられましたから、おかげさで明日を迎えられます」
と目を細めて笑った。

梅雨の合間の、晴れの日のできごとだった。
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[2008/07/02 17:51 ] | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0)
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