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目覚めの朝
けたたましいクラクションの音で目が覚めた朝、
私はきっと、一回死んだんだと思う。

国道246号線のど真ん中で、私はその車の運転手に罵声を浴びせられる中、
「ありがとう」と小声で呟いた。

これで私は生まれ変われるのだ、そう信じていた。
明日からは、光しか差さない世界に飛び込んで、
私は穏やかに、健やかに、過ごすのだ。

かつて、足しげく通ったセルリアンタワーを眺める。
押し寄せる記憶の波と、渦を描いて吹き去った風が、
私のこの忌々しい記憶と葛藤をさらってくれると信じていた。

空は蒼く、真っ白な下弦の月が浮かんでいる。
ゆっくりとその月は下りてきて、きっと私を救ってくれるのだ。
その、鎌に似た月が、私の首筋にピタリとひっつき、
そしてひと思いに楽にしてくれる。

星がいつかつかめると信じていた子どもの頃によくしたように、
私はまた、両腕を目いっぱいその月に向ける。
両目を痛いくらいにきつく閉じ、
そして私はその腕を掴まれた。

目覚めの朝、私は神などおらず、
月は決して下りても来てくれず、
風は私も記憶を連れ去ってくれることもない。
現実に気がついてしまった。

掴まれた腕の跡だけが事実であり、
流した涙だけが、自分の真実である。

そうして私はその朝、目覚めたのだ。
ここが、現実であるということに。
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[2008/12/09 12:28 ] | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0)
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