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【帰省2】 職人に好かれる、ということ
※このエントリーは、あくまで私見です。

8年が経った。
初めてこの宇治という町を訪れた時、駅前にはサイゼリアも回転寿司も、
ガストもなかったのに、いつのまにかチェーン店は進出した。

たまたま見つけた古道具屋、
その店の亭主は74歳になった。

午前7時、店の前で亭主は待ち兼ねていた。
「おかえりー、よう来たなぁ」
顔をくしゃくしゃにして、店に私を入れた。

店の中は古代布、焼き物、陶器、その他古道具が
所狭しとディスプレイされている。
よく、古道具屋で「お手を触れないでください」と書かれた紙を見かけるが、
私にいわせればそんな店はナンセンスである。
古道具は、直観→確認→購入のプロセスを踏む。
同じ形の茶碗でも、触ってみるとしっくりくるもの、こないものがあるからだ。

この店の亭主は、茶道具職人である。
懐紙入れや棗を入れる専用の袋、それ以外でも頼めば大体なんでもできる。
この亭主からはホンモノを見極める目を教えてもらっている。
8年が経ち、ようやく焼き物が何焼なのか、
またその古美術品が大体、どのくらいに作られ、どのくらいの金額か分かるようになった。
ただ、私が好きなものは古美術に限定されない。
工芸品も然りである。
職人の作り上げる「その一品」が、たまらなく好きなのだ。
使えば使うほど味が出る、命を持つ品は、時を経ても色褪せない。
また時として、己が迷い道に立つとき、その先を示してくれることもある。

昔から職人には好かれるタイプだった。
普通の人からは、「変わった人だね」と、冷ややかにいわれるタイプだ。
なぜ私は職人に好かれるのか。
その答えを知りたくて、私はその亭主に尋ねた。

「なぁおとうちゃん、なんで私は職人さんに好かれんの」
「そんなん、血や。おばあちゃんの血を受け継いでんねんやん」

祖母は小料理屋を72歳のいまでも切り盛りしているタフな人で、
祖母もまた、確かに職人に好かれるタイプだった。

最近は古美術店に入っても、大して古美術を知らない人が、さも知ったように売っている。
「これは春慶塗といって……」
と説明はするのに、
「ところで、紅春慶はおいてません?」
と聞くと、
「紅春慶ではなく、春慶です」
と返すとんちんかんな人。

最近はやりの無農薬野菜のお店でも、
社員は食べたことがあるが、その野菜がどこで、どういう人が、
どういう環境で作っているかも知らないで知った口をきいて売る。
反吐が出そうだ。

よく、古道具店のコーディネーターを頼まれるが、
その多くをお断りしている。
理由は、彼らのスタイルだと、職人からの信用をなくすからだ。
では、そのスタイルとはなんなのか。
あくまで利益追求型なのだ。
ここは賛否両論と思うが、私が仕事でもコーディネーターとしても
貫いていることは、近江商人の理念である。

売り手よし
買い手よし
世間良し
三方よし」の理念である。

祖母もこの三方よしを貫いている人、
その祖母の背中を見て育った私もまた、その教えを守っている。
後に知ることだが、私の知りあう職人の多くがこの三方よしの理念だった。
なるほど。
そういうことか。

職人は打ち解けるまで時間を要する。
しかし、仲良くなると普通では考えられないほど面倒見がよく、
ありがたい存在なのだ。
「変わった人」である私は、これからも全国各地の職人に
「ねーちゃん、おもろいなぁ」と呼ばれるよう、精進していきたい。

というわけで、今回、店から「もらって」きたものたちはこちら▼

・明治の真鍮火鉢
・古代布2本(織、染め)
・輪島塗の漆器 大中小×3客
・九谷一輪ざし
・西陣懐紙入れ 夏用、冬用
・その他陶器

おとうちゃん、ありがとう!

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[2009/08/11 19:21 ] | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0)
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